高校二年が始まった、俺はきっと楽しい生活が待っていると思っていた
高馬わーふ、最高の二年を送る・・・・・これが、俺の頭を支配していた
何かすばらしい出来事が待ってるに違いない・・・・そう信じていた

「・・・・・・っぐわ!!、やば!!遅刻じゃん!!」
布団を跳ね上げ慌てて、起きあがった、立ち上がると頭が割れるように痛む
「!!・・・・・つつつつつつ・・・そうか、昨日当利の奴と、飲んだんだったか」
下戸の俺に、容赦なく酒を薦める、我が最高の悪友、当利 勝
昨日は・・・・・

「高馬ーーーー!!!脱ぐぞ!!俺は脱ぐぞぉぉぉ!!」
「えーい、やめんかうっとぉしぃ!!」
「なんだと・・・お前なあ、高校でせっっっっっっっかく再会した友人に対して
なんてコトを・・・・うう、兄さんは悲しいぞ」
「誰が兄さんだ、そんなコトより、明日学校だ、とっとと帰れバカ」
「バカ??お前、友人に向かってバカと言うか、お前のような奴は呪われてしまえぇぇ」
「完全に壊れとるな・・・・・・」
「む・・・貴様しらふだな?俺の酒が飲めんのかーーー!!」
「うわわ、やめろぉぉぉぉぉぉ・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・

あまり思い出したくない出来事だな、うむ、さっぱり忘れよう
それよりも、とっとと仕度して学校いかないと・・・・・

もぞもぞと着替えをすませ、朝飯は抜いて学校へと走る
全く今までと変わらない、そんな日常の始まりだった、でも

「おし!!校門が、見えた・・・・・時間は・・・いける!!」
姿勢を低くして加速をつける、回りの風景がぼかし効果でも使ったように
流れていく、そして校門をくぐり抜けた・・・・・・ばしっ!!!!

「のわ!!!」
「はう!!」

校門を抜けて、一安心と注意を怠った時だった、何かにぶつかった
辛うじて体制を立て直し転倒は免れたものの、すごい衝撃で目から星が・・・・

「っつつつつ・・・・うう、二日酔いに響くぅ・・・・」
「はぅぅ・・いたいよぉ・・・・」
「ん?」
痛がってるのが自分だけでないと、気付き目を開いて、前を見た
一人の女の子が倒れ伏しているではないか

これが、出会いだった・・・・・・・・

嘘級生〜ぶつかり型出会いはセオリーかな〜

目の前に、女の子がへたりこんで頭を抑えている、なかなかかわいい仕草だが
そんなコトに感心していてはいけない、状況を把握しないと・・・・・って、俺がぶつかったからか
慌てて、手を差し伸べてその子を起こす

「ごめん、ちょっと急いでたから・・・悪い!!」
「うう、痛いよぉ・・・・あ、もう、いいです、くすん」
目に涙を浮かべて、頭をなでなでしながら去っていく、明らかに俺が悪者のシチュエーションだ
なんとか取り繕おうと、女の子に話しかけようとした矢先

「高馬ーーーー!!!どけどけどけぇぇぇぇ」
「え??」
がずっ!!!!!
「ぐはっ!!」
俺が弧を描きながら宙を舞う・・・なんてきれいな空なんだとうつろな意識が思う
どさり・・・・・・、ぐったりとしたわーふの身体が地に横たわった
「おっと、悪い悪い・・・ん?君怪我は?」
「あう・・・・な、ないです・・・その、この人・・・」
ショルダータックル・・・いや、それ以上の何かを秘めた攻撃を加えた後
爽やかに当利が女の子に声をかけた
「気にするな、ほら、下級生だなさっさと教室行かないと、遅刻になるぞ」
「え・・・で、でも・・・」
おろおろする、女の子を強引に校舎へ向かわせ、わーふの遺体に近づく
「すまん・・・・お前の死は無駄にはせん・・・立派なSS書いてやるからな」
「てめぇ・・・・・」
きんこぉぉぉぉぉぉん、かんこぉぉぉぉぉぉぉん
「ぅおっと、時間だ、急ぐぞ高馬」
当利が、俺の身体を起こす・・・気怠いチャイムの音が響くなか、校舎へと俺達は消えた
あの子・・・大丈夫だったかな・・・、少し心配だったりした

新学年も始まって結構経っている、校門前であんなイベントに出くわすなんてのは
今日が初めてだったけど、ま、あわただしいってコトは変わりない
授業はあっという間に過ぎていき、昼の時間だ

「高馬、飯どうする?」
「金欠だから、さみしくこのパンをかじってるよ・・・・」
力無く応えて、むしゃむしゃと味気のないパンをかじる、その様子を哀れむような
視線を向けた後に、食堂へと当利が向かった、ふと窓の外を見ると

「あれ?・・・・・・・・・今朝の子か?」
女の子が一人お弁当をもって歩いている、きょろきょろしてるのはどうしてか
気になって、降りていくコトにした

「・・・・・・・・・・いたいた」
相変わらずきょろきょろとしながら、弁当をもって歩いている、その後をつけるように
わーふが近づく、わーふの肩くらいまでしかない背がかわいいという印象を強めている
うろうろぺたぺた歩いてるその姿は非常に好ましいと思う

そのまま後ろをついて歩くだけでは、ストーカーと変わりないと気付き、声をかけるコトにする
しかし、ただ声をかけては面白くない・・・・ここで何か良い印象を与えて、朝の出来事の挽回を
計らないと・・・・・ふと、一計を案じるわーふ
「・・・・・・・・あ、あの、何か用ですか?」
「ぃや、どういう登場が一番・・・・・・って、のわわ!!」
バカ丸出しではないか・・・振り向いて、怪訝そうな顔でこっちを見てる・・・か、かわいい・・・
いや、そんなコトを考える時ではない、どうにか・・・・・
「そ、その、今朝はごめんね・・・・」
「??・・・・・・・・あぅ!朝、いきなり体当たりしてきた人!!」
女の子が一歩下がって、びしっ!!と指をさしてきた、なんかの犯人みたいだな

「い、いや、ごめんよ本当・・・・・」
「・・・・いいです、わたしも不注意でしたから」
にっ、と笑って目を細めた肩口のあたりまで晒された髪が風でなびく
ショートだったらどれだけ、好かったかなどと思うも
「あのさ・・・・なんか探してるの?」
「え?・・・・・んと、お昼を食べる場所を・・・・・・」
「教室で食べないの?」
「・・・・ええ、ちょっと・・・まだ、勝手がわからないんです、ここの」
照れくさそうにそう言う
「あれ?じゃあ、中等部からそのまま上がってきたんじゃないのか・・・」
「今年、北海道から越してきたんです」

簡単な会話だけを二つ三つ交わして、とりあえずそこから立ち去った、あまり
つっこみ過ぎるのもなんだかおかしいし、ただ、朝ぶつかっただけだしね・・・
自分をなんだか説得するように心の中で何事か呟き、教室へ戻った
その後の授業は、隣で死んだように眠る当利の顔に、落書きするので忙しかった

そして下校、よもや、眉毛が豪快に繋げられているなどと気付くわけもない
当利と一緒に、帰る・・・・こいつ、面白いよなあ・・・自分がやったコトだが
高校生に似合わずよく茂った髭と、俺のたぐいまれな筆遣いによって鮮やかに
書き込まれた、繋がった眉毛・・・・この顔、逆さまにしても顔になるって奴だな

じーっと、当利の顔をみて笑いをこらえていた
「なんだよ、俺の顔になんかついてるか?」
「眉毛」
「お前だってついてるだろう・・・・わけのわからない奴だなあ」
「お前と違うもん」
「??まあいいや、それより、今朝の子・・・・」
「あの子が?」
「いや、かわいくなかったか?」
当利が意外なコトをシリアス顔(でも眉毛は繋がってる)で呟いた
思いっきり爆笑したい所だが、適当に相づちをうった
「そうだな・・・ま、もうちょっと髪が短いとな・・・・」
「お前は、ショートの女の子しか女の子と認めないのか?」
当利が笑う、眉毛が動く
「・・・・・・お、いいショート」
「ん?・・・・・・・・・あれ?うちの制服だぞ」

二人の前を、一人のショート娘が通っていった
整えられたショート、あどけない顔、少し長めのスカート・・・・・・・
「・・・・・・・・高馬、知ってるか?」
「知ってたら固まったりしないよ・・・・」
二人がその姿を見送った・・・・・・・・やがて、始まる関係はここがスタートだった