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長野県佐久市野沢314−13 菊池会計事務所 税理士 菊池和行

    内部牽制制度を考えてみましょう

 社内不正行為を未然に防ぐには、不正行為のパターンを知っておく事が大切です。

 資産の不正流用
   いわゆる「使い込み」と呼ばれるもので、金銭・物品の横領・着服を伴うものをいいます。一般的には次のようなパターンが多いでしょう。

(1)従業員が単独で行う不正
  
 1人の従業員が極秘裏に会社のチェックをかいくぐって行うもので、最も多いのがこのパターンですので注意が必要です。

(2)従業員同士の共謀による不正
   複数の従業員が共謀して行う不正は、単独の不正に比べて大規模、・複雑になってきます。例えば、出納担当者と承認者が共謀すれば出納事務手続がフリーパスとなり、不正は発見しにくくなります。

(3)従業員と会社外部の者との共謀よる不正
   従業員が取引先など会社外部の者と共謀して不正を行うケースは、最も不正を発見しにくいパターンです。例えば、ある従業員が取引先と共謀して取引先から受け取る請求書を偽造させて不正を働いたとしたら、会社内部の資料からではチェックが及ばず不正発見は非常に困難となります。
    

 動機は出来心から始まるのが一般的。
   ある職務について1人の従業員だけが行っている場合は誰からもチェックを受けない事から「借りるだけ」といった気持ちで行ったものが、次第にエスカレートしていき着服につながる。手口は単純だが経営者のチェック機能が不備であれば早期発見は稀であり、不正は何度も繰り返す。被害額は次第に大きくなる。中小企業では従業員数が少ないので、日常業務を細かく分けて複数の従業員に分担させる事が出来ない。長年勤務している従業員に対しては経営者も、その者に対し過度の信頼を寄せ、職務を任せきりにする傾向が強くなる。この様な状態の時は注意を要する。


 不正を未然に防止するには
     一定の事務又は業務を1人の従業員の支配下に置かない様な会社経理の仕組みをつくることが重要です。
(1)取引の処理は必ず2人以上の手を経て完結する様にする。例えば、注文する人、検収する人は同一人であってはならない。
(2)同一事項の取引記録を2か所以上で行う。例えば、売掛金の入金という1つの取引について、金銭出納帳と売掛金台帳(コンピュータ入金入力)の記帳等
      別々の担当者に行わせる。従業員の少ない企業ではチェック機能を発揮できるように経営者自身あるいは奥さんが業務を分担する
(3)回数券、切手、印紙、プリペイドカード等、換金性の高い物品は、購入者と管理者は別々の者。管理者には受払簿を作成させる。
(4)売掛金の回収は銀行振込で。領収書は市販の物は使用しない。自前の領収書を作り連番を打つ。書き損じは領収書控えと共に斜線をひき残す。
       領収書控えと現金を経理担当者は受け取り確認印を押す。使用済み領収書は経理担当者が回収する。
       売掛金請求書は毎月必ず郵送する。(担当者に手渡さない)
(5)倉庫にある「商品の横流し」。  棚卸を行えば数量不足となる。徹底した原因究明が必要、(帳簿棚卸、実地棚卸が定期的に出来るか。)


  不正の手口は数多く有り又、その不正も複雑化しています。当事務所では貴社と共に内部牽制制度の確立を図ります。