牛山弁
| 標準語
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※和男君が何かをしているところへ良雄君がやってきた。 |
なにやちょる。 | なにしてるんだ。 |
なつやすみのしくでぁーやちょるがや。 | 夏休みの宿題やってるんだよ。 |
なんじゃー、まんだそんなことやちょるのか。 おら、まーひゃなつやすみがはじまってすぐやってまったがや。 | なんだ、まだそんなことをやってるのか。 俺なんか、もう夏休みが始まってすぐにやってしまったよ。 |
ほんなこといったって、あしたあしたとおもちょるうちにまあーひゃーすぐなつやすみおわってまうがや。 | そんなこと言っても、明日は明日はと思っているうちにもう夏休み終わってしまうよ。 |
ほんなもの、おみゃーのせきにんじゃがや。いままでやらなんだほうがわりぃーわ。 | そんなことは、おまえの責任だろ。今までやらなかった方が悪いよ。 |
※そこへ、お祖母さんが入ってきた。 |
えりゃーにきわきゃーて、なにやちょらんす。 | 騒々しく、何をしているんだね。 |
しくでぁーやっちょるとけぇーよしおくんがきたもんで・・・。 | 宿題をやっているところへ良雄君がきたので・・・。 |
なんじゃー、よしおくんきゃー、おとぐちがあけっぱなしんなちょったもんで、だれじゃしらんとおもってのぜーてみたがや。 なつやすみもまーひゃーおわるでおみゃーさんもあすんでばっかおらんとしくでぁーははよすませちょかんとあかんぜ。 | なんだ、良雄君だったのかね。玄関が開けっ放しになっていたので誰かと思ってのぞいてみたんだよ。 夏休みももう直ぐおわるからお前も遊んでばかっりいないで宿題は早く済ませておかないといけないよ。 |
※そこへ、お祖母さん出て行く。 |
あーあ、あたまがいたゃーわ。 | あーあ、頭が痛いよ。 |
おれのやつみせたるで、ほれうつしゃええがや。
ほれより、はよしみゃーにしてかわゃーみずあびにいこみゃー。 | 俺のを見せてやるから、それを写せばいいじゃない。 それより、早く終わって川へ泳ぎに行こうよ。 |
ほーしよか。 | そうしようか。 |
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※武さんが、畑へ行く途中近所の次郎さんに会い立ち話。 |
あさはよからえりゃーせいがでるなも。 | 朝早くから精がでますね。 |
でぁーこのうねつくらすとおもってでかけたとこだぎゃー。まーひぁーじきすぎてまったが、ほかっちょくわけにいけせんで。 | 大根の畝を作ろうと思って出かけたところなんですよ。もう時期が過ぎてしまったけど、ほって置くわけにはゆかないので。 |
ほーか。でぁーこまくには、まーちょっとおせーかもしれんなー。 |
そうか。大根を播くのには少し晩いかもしれないな。 |
ことしのなつのあつぃーてったてったら、どうしょーもあれせなんだ。なにやちょても、あせでべたべたなってまってはたゃーいけどこじゃなかったぎゃー。 |
今年の暑いといったら、どうしようもなかった。何をやっていても、汗でびたびたになってしまい畠へ行くどころではなかったよ。 |
ほーじゃ。こんなあつぃーとしもめずらしーなも。あめもぜんぜんふれせんし。こーもかわゃーてまうと、たねみゃーてもめがでーせんじゃらー。 |
そうですね。こんなに暑い年もめずらしいですね。雨も全く降らないし。こんなに乾いてしまうと、種を播いても芽がでないでしょう。 |
ほんでも、あめんすくなかったせーか、ことしゃ、とまとやすぃーかがよぉできたわ。
ところで、こーもはよから、おみゃーさんはどけーでかけるじゃー。 |
それでも、雨が少なかったせいか、今年は、トマトやスイカが良くできたよ。
ところで、こんなに早くから、お前さんは何処へでかけるんですか。 |
わしかー。みやわかるじゃらー。すずしいうちにあとかってこすとおもってでかけたがや。こーもあっつぃーと、あさはよやっちょかんと、おてんとさまがたかなってからではもたんでよー。 |
私かね。見ればわかるでしょう。涼しい内に畦草を刈ってこよと思って出掛けたんだよ。こんなに暑いと、朝はやくやっておかないと、太陽が高くなってからではもたないからね。 |
ほーじゃ。ほんでも、あさやゆーがたはでゃーぶすずしなってきたでたすかるわ。まあちょこっとのしんぼうじゃけどな。さむけりゃさみーでいやじゃし。 |
そうだねぇ。それでも、朝夕は大分涼しくなってきたので助かるよ。もう少しの辛抱だけでね。寒ければ寒いで嫌だし。 |
くたぶれこまんようにやってちょーよ。わしらーも、そーわかにゃーで。 |
疲れ込まないようにやってくださいや。私達もそんなに若くないんだから。 |
ほーじゃ。おたぎゃーさまにな。 |
そうだねぇ。お互いにね。 |
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