◇父の死転機、研究に没頭
戦国武将、山内一豊の妻で、NHKの来年の大河ドラマで主役となる「千代」の郡上市出生説を説く。千代の顕彰会の会長として奔走し、大河ドラマのロケ地誘致実行委員会の設立に漕ぎ着けた。
郡上八幡の城下町で文具店を営む。父、与三吉さんは顕彰会の初代会長。40年以上も研究に取り組み、孫に「八千代」と名付ける熱の入れようだった。
「半信半疑で冷めた目で見ていた」が、平成6年(1994)の父の死が転機となった。残された山積みの史料や名刺が気になり、研究者らの催しに出席。自分でも関心を抱いた。家業をほっぽり出すほど研究に没頭し、古文書を読み込んだ。
高知県の山内家に伝わる古今和歌集。千代の母は宗祇に古今伝授したことで知られる東家の出身だ。「東家の流れをくむ千代が持参したのでは」。徐々に自信を深め、一豊夫妻に因んだ催しを開いたり、山内家とも交流を深めたりした。
関係者とかわした名刺は200枚を超えた。だが、「父に比べたらまだまだです」。(朝日新聞2005-03-08)