追録:冷泉(藤原)為相筆の「古今和歌集」も山内家へ伝わっていた!(2005年5月)
圧倒される藤(冷泉)為相の「伊勢物語」の筆跡
安養寺蔵(郡上市八幡町)  「秘宝 郡上八幡の文化財」より
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↑ 唐衣着つつなれにし妻しあれば
   はるばる来ぬる旅をしぞ思ふ
みちのくの 志のふもちすり 誰ゆへに みたれそめにし われならなくに
紙本墨書伊勢物語   安養寺

 伊勢物語は、在原業平の歌を軸として、逸話や古伝承などを織りこんだ数々の珠玉の小編で構成され、一代記的に人情を中心とする詩的作品を並べた平安時代の歌物語である。作者は不詳である。古今集等と並んで、和歌の聖典として尊重されてきた。本品は、布表紙に縦16.5cm、横16.5cmのもので、巻末に「藤為相」とあり、藤原為相(ためすけ)の筆と考えられる。為相は藤原定家の孫であり、冷泉家の祖、母は「十六夜(いざよい)日記」の著者の「阿仏尼(あぶつに)」である。    
          「秘宝 郡上八幡の文化財」 編集:八幡町教育委員会  より   
   
 安養寺さまは私の家から歩いてわずか1分の所にある大伽藍。こんな近いところにある「安養寺宝物館」に上の「伊勢物語」が収められています。幾多の火災や災害から守り通されてきたものです。
 土佐山内家が幕府(5代将軍徳川綱吉の時代)に献上した「冷泉大納言為秀卿筆の古今和歌集」は上の藤為相の息子さんの書いたものになります。父に似てさぞや達筆のものと想像されます。
追録:山内家へはなんと、この冷泉為相筆の「古今和歌集」まで伝わっていたことが判りました。
山内家6代の豊隆が5代将軍徳川綱吉の奥様にこれを献上していました。(宝永3年:1706年)
 
              ※ この発見は驚きでした。(2005年5月16日 川上)
安養寺
(2005年1月2日の朝)
(山内一豊の妻)山内一豊夫人顕彰会へようこそ