八幡町議会 2004年9月定例議会における浅野逸男議員の一般質問

「郡上八幡の観光と水産資源について」より

《今こそ長良川河口堰をアユの下がり上りの一定期間は開放しては》

副議長(山田忠平君)  一般質問、14番 浅野逸男君の一般質問を許可いたします。

   14番 浅野逸男君。

浅野逸男議員 それでは、通告に従いまして私の一般質問を行います。

 郡上八幡の観光と水産資源について、特にアユのことについて申し上げたいと思います。

 今年の郡上の川の状態、アユ釣りの状態を見ておりますと、天候のこともございますが、大変漁獲量は少ないようです。それで私の商売にしましても大変そのアユを寄せるのに苦労しました。それが私だけでなく一般の皆さん方も、お中元、またお土産、そういうのに注文されましてもなかなか揃えることが出来ないと、本当に困ってみえる方の話をたくさん聞きました。

 もう一つ、この釣れないということで、魚の釣り道具屋さん、八幡の釣り道具屋さんで、去年おととしまでは、町の中でもアユのおとりを売っておりました。それが、余りにもお客さんが見えないようになったもんで、おとりというものは生きておりますから、3日も4日も、一週間も飼っておると弱ってしまっておとりにならんのです。それでは商売にならんもんで、おとり屋さんをやめられてしまう。これは事実、皆さん、町の中を見られればわかると思います。

 もう一つ、民宿でアユ釣りに来るお客さんを当てにしておるというか、迎えております。郡上へ行ってもちょっとも釣れんでといって、だんだん足が遠のいていきます。一週間に三日くらい来る人が、まあ休みやで、俺も好きやで一日ぐらいは行ってみようかと。ここの議員の中にも漁業組合の事業をやってみえる方がありますが、大変苦情を聞かされたと思います。本当にどうしようかしらんと、俺のせいでないのにというようなことで、本当に苦労されたと思います。

吉田川を見ますと、ちょうど町長さんのところの下の長瀞(ながとろ)がありますが、あそこから坪佐の橋、あの辺りを見ておりましても、今年のアユ釣りの方は大変少なかったと思います。一回来てみて、こんなことではわざわざ郡上まで来てということで、みえません。私も釣り仲間が大勢おりますから、東京、名古屋、いろいろ電話がかかってまいります。「おう、どうや、状況は」「はい、いいですよ。来てくださいよ」と言えんのです。本当に、お前隠しておるんでないかなんて言われるぐらいだけど、実際に来てもらっても釣れん。一日おっても、せいぜい5匹か6匹。せめて東京から2日がかりで来て10匹くらいは釣れてもいいのになあと思うんですが、それがダメなんですね。

これはどうしてかということを思うときに、まずアユの放流量を漁業組合で調べてみましたら、放流量はちょっとも減っておらんのですね。それが釣れない。冷水病という話も随分出ますが、それで魚が死んでしまうという話もありますが、よく考えてみますと、そういう原因が出てきたことは、僕は川の汚れだと思います。環境のせいだと思います。

 それで、川の水量を確保するというようなことは、まず第一に治山だと思います。先ほど井藤議員が山林のことでいろいろお話をしてみえましたが、自然環境の一番のもと、水を出すもとは山だと思います。そこら辺の今後の対策は、これは八幡町でなしに、郡上や日本中の課題だと思います。この辺についての町長さんのお考えを伺いたいと思います。

もう一つ、八幡は「観光の町」であります。確かに踊りのときは町中、人で溢れております。今でも四季観光は大分と浸透して来まして、昼間は城下町プラザにバスが入るのが本当に多いです。でも悲しいかな、前も言いましたように、せいぜい2時間ぐらい。なかなか土産屋さんがどえらい潤うとか、そういうようなことはまだまだ遠いことだと思っておりますが、その中で、7月から9月の初めまでの踊りの期間はいいんですが、春、そして秋なんですが、郡上の漁獲量を見ますと年々減っています。ここに「郡上の統計」という本なんですが、たまたま、ひょっとこれを見まして、なるほどこんなにというぐらい漁獲量は減っております。春から6月、7月の踊りの間に、アマゴ釣りのお客さん、アユ釣りのお客さん、そういう方が本当に、岐阜県のアユを釣りたいといって北海道からみえる人、九州からみえる人があるんです。こんないいお客さんがありながら、今のような状態ではとてもじゃないですが心寂しいことです。今は家族連れのお客さんが多いもんですので、おとっつぁんはアユ釣りに行くで、奥さん・子どもさんたちは一日中八幡なら八幡を中心に高山へ行ったり、牧歌の里へ行ったり、そして世界遺産を見に行ったりと、そういうような計画を時々見させていただくんですが、そういうことを考えたときでも、この吉田川、長良川の保全ということについてどのように取り組まれるかということを本当に心配しておるんです。

河川工事が大変行われております。これは天災のために災害復旧で他って置くわけにいきませんからやらんならんのですが、それもやはりもとを正せば、水害になるような状態になっておるからということだと思います。これもやっぱり治山に関係してくるんだと思います。そしてもう一つは、ゴルフ場、大根畑、そしてスキー場、これらの管理ということについても、今後、郡上市になった場合、八幡町ということでなしに、どうやってそれを食い止めるか、これは大きな課題だと思います。そういうことについて、今、郡上の行政をやられるときに、どのように考えておるかということをお聞きしたいと思います。

今、郡上郡全体で下水道工事が進められておりますから、家庭の雑排水に対しては随分進んでよくなっておると思います。でも、もう一つ心配なのは、ウナギの捕獲量の統計を見ますと、平成4年から8年までなんですが、平成4年の8,000キロから年には7,000キロ、1,000キロ減っております。雑魚でもそうですし、カブのことでも魚の詳しい人はわかると思いますが、下に住む魚ですね、それが大変少なくなっております。ある旧い漁師の方に話を聞きますと、融雪剤の影響が大きいんでないかと。そういうことについても、やはり交通の安全ということも考える中でどのようにしてそれを対処していけるか、そんなことも考えていかなければならないと。

本当にこれ、魚を見ておりますとすごいんです。例えば、一番最近のアユの放流量をここで申しますと、平成12年には1万8,598キロ、漁獲量が16348キロ、それが14年になりますと放流量が7,275キロで漁獲高は138,939キロ、万キロも減っておるわけです。それで、もっと昔の統計を見ますと、これは岐阜県の統計に載っておったんですが、昭和57年頃ですと、割かし良くて134,390キロ、それがある程度経ちまして平成年から5年の間ですと、放流量も多くなったんですが、28万キロぐらいのが、12年以降は、今13万といっていましたが、15万キロ前後というふうに、すごい減りようです。

郡上へ観光でみえた人がアユを食べるといわれたときに、郡上のアユはいいアユだろうということで今まで喜んでみえましたが、それが段々できなくなるような状態です。さきおとついですか、郡上の観光の宣伝のために(東京の)青山へ八幡の観光協会が言っておりました。そこでアユの塩焼きを出したんですが、全部で200匹の余持って行ったんですが、これは全部、天然アユを持って行きました。そのときに、八幡の人が、俺も買って食べたかったけど、俺が食べたんでは東京の人に申し訳ないと、折角、持ってきたんやで、という話を夕べ聞いたんですが、その200匹のアユを寄せるのに本当に四苦八苦したということなんですが、こんなことがこれから続くようなことでは、郡上は観光でという中で、ましてや水でと言って売っておる郡上のことを心配せざるを得ないんです。これは八幡町だけじゃなしに、くどいようですけど、郡上としてどんな対応をしたらいいかというようなことを思うんですが、町長さんのお考えをお聞きしたいと思います。以上です。

副議長(山田忠平君) 浅野逸男君の質問に答弁を願います。小森八幡町長。

町長(小森久二男君) 今の浅野議員のアユの生息とかウナギの生息とか、川に関わることでございますけれども、私も魚釣りが好きなもんですから、郡上郡の水の流れている谷は全部大体入っておりますし、いろんなところへ暇さえあれば行っておりますけれども、確かに近年、川が非常に荒れておりまして、川が段々掘れていってしまって、こっちの辺では「サバが出た、サバが出た」と言いますけど、岩が出てしまっておりまして河床が非常に下がっております。魚が生息する淵とか大きな石が非常に少なくなって来ておる。そういったことが一つあります。これは一つに地球温暖化等の影響もあると思いますけれども、最近は1年に一遍という大水が出ておったんですけれども、最近は1年に一遍ぐらいゲリラ的な雨で、特に奥美濃を中心にして郡上でも大きな災害が、伊勢湾台風に匹敵するような水がここ2〜3年続けて出ております。そういったことで、川が非常に荒れておりまして、それに伴って河川の災害復旧工事がずうっと行われておると、それで河川がいつも濁っておるという状況が一つあります。

 それで以前は河川の災害等につきましても、復旧はほとんど3面張りで、水が速く流れていくようにということで、いろいろ環境保全の面から問題があったわけですけれども、最近はややそういったものが見直されて、石積みとか、巨石積みとか、漁礁を作ったりということで、いろいろ災害復旧についても工夫がなされてきております。しかし、中々もとの川へ戻っていかんというのが現状です。

 これは、一つには、先ほど井藤議員の質問にもございましたけれども、山が非常に荒廃をしてきて保水力が無くなってきておるという問題が一つあります。これについては、現在、郡上郡というか、森林組合といたしましても、いろんなところで現在、複層林ということで、郡上は杉を中心とした針葉樹が多いわけで、非常に蜜植されております。これを今後、間伐等を適正に行って、下草が生えたり、下木が生えるようにせんと、山の保水力が無くなりますし、山の土が流れて来るという事で、そういったことが災害につながるということで、今後はやっぱり山の保全管理を十分にして、ある意味では複層林化をしていかないかんということで、今、複層林化を奨励しておるという状況でございます。

 それから、一つには水質の汚染ということがございまして、戦後だんだん化学染料を使ったり、いろんなことで河川が荒れてきておる。そして魚類とか、特に先ほどおっしゃいましたようにアジメとか、そういう小さい魚族とか虫に対して非常に現在生態系が変ってきておるという状況が一面にございまして、そういったことは、郡上郡全体の下水道とか農村集落排水、あるいは合併浄化槽等が完備してくれば水質は、ある程度前へ戻していけるんではないかということを思っております。

 そしてまた、一面におきまして、現在、畜産の糞尿に付きましても、これは郡上郡全体でございますが、今まで野積みにして、そういったものが川へ流れていくと。川が近くでは臭いがするというようなことがあったんですけれども、今はそういったことも規制が厳しくなりまして、平成17年度から非常に厳しく規制をされるろいうことで、現在その堆肥の後の処分等についても、今、正常化するように取り組んでおるという状況でございます。

 それから、もう一つは、アユの生態系が非常に変ってきておるということが一つあろうかと思います。前は、長良川の流域においては、ほとんど天然のアユが遡上をしておったんですけれども、最近富みに天然アユの遡上が減っております。それから、琵琶湖の方からダムがあったり堰堤があるところについては前から放流をしておったんですけれども、現在は非常に全国的に需要が多くなって、小さいのを捕っていけすに飼ってから大体放流のアユを供給されておるというようなことがあってアユに闘争心がなくなって仲良くなってしまったというようなこともありまして、非常に追いがにすくなったということがあって、友釣りは釣りにくくなったと。網ではある程度捕れるけれども、そういうようなこともございますし、また先ほどおっしゃいました冷水病が非常に、ここ3年くらい前からだと思いますけれども、そういったものが出てきまして、今年も冷水病の被害は大きかったと思います。これが郡上ばっかりではなしに、馬瀬へ行きましても、どの川へ行きましても全国的にそういう傾向であります。

 今後やっぱり大きなあれでは、アユの種の保存というか、アユの稚魚をどうやって作っていくかというようなことについても、今後、研究はもちろんされてくると思いますけれども、そういったことも大変大事なことだと思っておりますが、当面、行政等で取り組めるといいますと、やっぱり河川を出来るだけ汚さないように、河川環境をいかにして保全していくか、水環境を保全していくかということが最も大切なことでございまして、先ほど申しましたように、やっぱり治山・治水に十分配慮しながら今後そういったことを十分対応していく必要があると。ただ、現在、治山等につきましても、非常に希望は多いわけでございますが、ご承知のような財政状況の中でございますので、順位を設けて危険なところから順次手をつけておるという状況で、中々全体の山の治山が行き渡らないのが現状でございます。堰堤等についても、そうでございますし、また堰堤もあんまりようけ出来ると、今後は堰堤から下流が、上流から石が運ばれて来んようになると、段々掘れて行ってしまって、出来るだけ自然の状態が保っていければいいんですけれども、やっぱり災害等がございますので、それに対応していかんならんと。
 そういったことで、また生態系が変っていくと。いろんなことがあるわけでございますが、特に郡上郡におきましては、水質を出来るだけ汚さんようにという、これは現在の下水道等でございますし、家庭においてもみんなが心がけてもらうとか、あるいはやっぱり山の保全と申しますか、そういったことを十分行っていくことによって水質を守って、そして山の土砂災害等が出来るだけ少なくなれば河川も河川もそんだけ荒れんのじゃないかということが予想されますので、そういった面に今後行政としては十分力を注いでいかなければならないということを思っております。よろしくお願いします。

副議長(山田忠平君) 松井産業振興課長。

産業振興課長松井武夫君 郡上八幡の夏とアユは切っても切れない関係といいますか、当然よそからお見えになるお客様は、この郡上八幡の長良川、吉田川のおいしいアユを求めていらっしゃるということで、漁獲量が減ったということは非常に深刻に考えておるところでございます。

 今年の特にアユの漁獲量の低下について郡上漁業組合の方からちょっと聞いてきましたので、そのことを報告させていただきます。今年の8月末の状況では、出荷高から推定するアユの漁獲量は、盆前が例年の6割程度ということでございます。ただ、盆過ぎになりますと例年の2倍から3倍とれたということで、回復傾向にあったんですが、全体的に見れば例年の3分の2程度になるだろうと予想しているということでございます。

 その原因ですが、まず第一に夏に入っても、気候条件、要するに雨が降って水位が高く、川へ漁に出られなかったということがまず一つ。もう一つが、いわゆる冷水病です。冷水病によってアユそのものの数が減少したということも考えられるということです。特に今年は6月から8月の平均気温が、例年ですと20度から23度あるらしいんですが、今年は特別そういう降雨の関係で17度から20度ということで、平均的に3度くらい低かったと。これによって冷水病がさらに広がったということでございます。この傾向は全県全国的なものであって、その点において郡上については他に比較して被害程度は低かったと。岐阜県でも、益田、和良、馬瀬においてはもっとひどかったということでございます。

 この冷水病についてでございますけれども、これは昭和59年にカナダからギンザケの卵を輸入したということで、それにそのウイルスが付着しておったということで全国的に日本の河川に広がったということです。郡上でも、特に2〜3年前からその状況が顕著になってきたと。ただし、この冷水病というのは魚のストレスとか体力低下に大きなかかわりがあるそうでございます。つまり、保菌をしておっても、体力が保たれている限りは発病しにくいといわれております。このストレスや体力低下の原因として、今の水温の低下とか、いわゆる河川の濁り、急激な濁りとか、急激な水位の増減等が挙げられるということでございます。産業振興課の立場としましては、先ほども町長が言われましたけれども、まず森林の保水力を高めて、雨が降るといったんに水が洪水にならないような、いわゆる公益的機能の高い森林づくりといったような長期的な取り組みが必要かと考えております。以上です。

(14番議員挙手)

副議長(山田忠平君) 14番浅野逸男君。

浅野逸男議員 14番。ご説明は良く分かりますが、そこで今、町長さんも一番初めにちょっとお話になりましたが、昔は天然のアユがたくさん上ってきたと。天然のアユというのは、伊勢湾から上ってくるアユだと思います。今、郡上におるアユは、長良川で育ったアユではなしに、どこかから持ってきたアユであります。それは皆さんご存知だと思います。

 れで、普通でしたら、それが成長して産卵期になりますと河口近くまで行って、大体、合渡(ごうど)の辺、長良川橋から下、金華橋、ちょっとあそこから下の辺の砂利場で産卵します。これはすごい群れです。僕は岐阜におったことがありますので見ておりますけど、本当に川じゅう、これくらいの面積が真っ黒になりますから。そんなに魚がたくさんおって、産卵して稚魚になったときに、海に戻って、泳ぐ力はそれほどないと思います。今、このごろは、その稚魚が全部、伊勢湾へ戻ることが出来んような状態が長良川にはあるわけです。もし、それが3分の1でも戻って、今度、春になって伊勢湾から上ってくるとき、また、「堰」があるわけですね。

 ここら辺のことを一つ考えたときに、今まで一度もそういう試みはされておりませんけど、あの河口堰を下るときと上がってくる時期に一定の期間、上げてやったらどうかと思うんです。
 確かに、魚道が作ってありますから、上がってくるのは、魚道は上るかもしれません。下がるのは、魚道を下がるなんていうことは、皆さん行ってみれば分かると思いますけど、あの水のところを下がって行くなんていうようなことはまず無理な話なんです。僕もちょこちょこ好きだもんで行って見ておるんですけどね。

 それで、たまたまこういうことに出会ったんです。あの堰の上に歩けますもんで行っておりましたら、舟が通るんですね、小さい舟が。その時間だけ堰を上げるんです。ちょうど春でした。そうしますと、堰を上げますと、そこの前におったやつがダーッと。あれはサクラマスもおりましたもんで、良く分かったんですが、大きい魚だったもんで。ものすごい勢いで上がるんです。あの長い距離のうちに、20メートルぐらいあるかなぁ、あの堰1枚が。そういう状態を見たときに、前々から思っておるんです。あの上がる時期、下がる時期に全部を一回上げてやったら、自然の状態になって魚が動けるんではないかと。
 そうすれば、町長さんも言われたように、天然の量はずっと増えて、それこそ長良川で育って下ったアユが、今度、伊勢湾で、しとなって、もう一回上がってくると。そういう環境は、もともとそれが当たり前の環境でしたので、そういうことを、これは八幡だけで考えるんでない、本当に長良川水系、木曽川水系でも一緒だと思いますが、そういうことを実際にやってみて、どうしたらやれるかというようなことを考えてもらわんと、もちろん郡上で一生懸命応援になって、むしろ旗とは言いませんが、陳情に上がろうじゃないかというようなことがあれば、水資源開発公団かどこか知りませんけど、そういう関係のところへお願いしてでも試みてみる必要があるんではないかと私は思うんですが、どうでしょうか。

副議長(山田忠平君) 小森町長。

町長(小森久二男君) 河口堰につきましては、今。浅野議員がおっしゃいましたように、河口堰を作ってから、産卵はその上流部で産卵するわけですので、それが下がっていくと。そして海まで下がってまた上ってくるという関係なんですけれども、上るときにまた河口堰があると。そういうことで、あそこで県の方も、毎秒どんだけ上ったとかいってよく新聞にでますけれども、数を計数しておるようですが、中々それでどんだけ上がったということは難しい問題ですけれども、私たちが河口堰というか、昭和30年代、ずうっとあの頃は大体お茶摘みの頃に群れになって帯になってダーッと上ってきたんですけれども、最近、話を聞きますと、大体7月に天然が上がってくる、上がってくるのが大分遅れてきておると。それはある程度、成長時期が来ますとシシャモみたいになって、ある程度年数が経つと小さいのが卵を持ってしまいますので、しとならんうちに。大きくしとならんという状況がありまして、上るには上っておるようですけれども、その時期が非常にずれておるということを聞いております。

 それで、この河口堰が、この間も、ある地区へ行きましたら、アユの産卵時期に、孵化したのが下がる時期に上げて、上る時期に河口堰を上げたらどうだという話がありました。これは河口堰の機能といいますか、そういうものでそういうことが可能なのかどうかという問題もございまして、これは一遍その辺も良く聞く必要があると思いますが、そういうことが出来るんなら今までに既にやっておっていい状況なんですが、それが何で出来んのかという問題が一つあります。

 一つは、どうも塩が上げてしまうと上流へさしてくると。そうすると塩害の問題で、堰から上は塩が上がらんようになっておるんですけれども、大きな水が出たときには河口堰を上げても押していってしまうもんですから水が遡上せんと。そういうようなことを聞いておるんですけれども、その辺のことが可能であれば、一番その時期にある程度上げたりなんかすれば昔と同じような河川になるということがございますのでと思っておりますが、その辺についてはこれから良くそういった関係のところといろいろ調査というか、問合せてみんと分かりませんけれども、そういうことが可能なら、私も一番これはある程度下がっていくし、上ってくるんではないかということは予想をしております。サツキマスについても同じだと思っておりますけれども、今はそういうことと、それからもう一つは、以前と比べて非常に釣り人が増えたいうことがございます。私どもが小さいときは、大体あの人がこの瀬におる、この人がこの瀬におると釣り場が決まっておって、それだけ他所から車に乗ってくるような人は、車社会でありませんので、大体地元の人が夏場に商売でアユ釣りをしておったという人が多かったんですけれども、今はもう平日であろうと何であろうと、どえらい釣り客が押しかけてきまして、一人が10匹釣っても昔の何十倍と来ておりますので捕獲量が非常に多くなったということも一つあろうかと思っておりますが、いろんな現象があるんだと思いますけど、河口堰の問題については一遍またそういったことを専門的に意見も聞きながら、そうしたことが出来るんか出来んか、また一遍対応はしてみたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

副議長(山田忠平君) 畑佐基盤整備課長。

基盤整備課長(畑佐一男君) ただいま町長のほうで河口堰の運用のところで説明がありましたが、河口堰については、ご承知のように、利水、それから治水を目的にして建設がされておりまして、平成7年にその運用が開始をされたということでございますが、治水の方からの面で申し上げますと、いわゆる河床の浚渫(しゅんせつ)工事を行うことによって水位を下げていくということでございますが、そのことによって海水による塩害を防ぐというのが大きな目的であろうというふうに思っております。そうした治水のほうから言いまして、今までに豪雨等の洪水時におきましては門の方も全開されておられるということを聞いておりますが、最近では、8月10日でしたか、そのときの出水時に全ゲートを全開されたというような状況であるということを聞いております。その外の、今、町長が申されましたように、魚の遡上の時期であるとか、そういったところについては、またそうした目的といいますか、塩害といいますか、そういったところとの兼ね合い等々もあろうかと思いますが、そういったようなことに付きましてもいろいろと確認をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

(14番議員挙手)

副議長(山田忠平君) 14番 浅野逸男君。

浅野逸男議員  14番ご説明はもっともでございますが、一言、皮肉かもしれませんが、塩害、塩害といわれますが、今、日本で田んぼの米の作付け面積の削減などをいろいろな方法でやられております。そんなことを考えたときに、その塩害で、今まで河口堰がなくて十分食糧の生産は出来ておったと思うんですが、今、食糧を、そういうことに関係なしにあることだと思うんです。それは、つくる方はいろんな条件、状況を出して作ったんです。水の使用量でも、確かに三重県、愛知県、名古屋市がそんな水は要らんから戻すというような、分担金を少しでも少なくしたいというような状況になっておる、そういう中なんです。それは僕のいうことが、全部正しいなんて思っておりませんけど、ただ今のアユのことに関して言いたいのは、出来るんだったらそういう試みをしてもらいたいということで、やっぱり努力してもらいたいと思います。以上です。終ります。

副議長(山田忠平君) 以上で、浅野逸男君の質問は終了いたしました。



2006年10月30日に見た中日新聞記事で、岐阜市の長良川で鮎の産卵を見る会の新村安雄さんの言葉が目にとまりました。

 新村さんは、ビデオ映像を見せながら、「2週間後にふ化するが渇水では下流の汽水域までたどり着けない。数日前の雨と近く雨が期待できる天候で、アユは産卵チャンスとみて一気に産卵したようだ」と解説。また、新村さんは「あちこちで見られた産卵も、この辺りでは一坪ほどのこの瀬でしか見られなくなった。汽水域をもっと上流にすれば、アユは増える。10月中旬から12月初旬の産卵時期だけでも、河口ぜきのゲートを開けてほしい」と訴えた。(中日新聞:2006年10月30日)

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