12月議会での服部政子議員(日本共産党)の一般質問  (2003年12月17日)

 

太田副議長:休憩前に引き続き会議を開きます。

一般質問、6番、服部政子さんの質問を許可します。

服部政子議員:はい。議長。

太田副議長:はい。6番、服部政子さん。

服部政子議員:はい。6番、服部です。(登壇)

服部政子議員:議長の許可を得ましたので一般質問をさせていただきます。

まず、1点目は学童の安全対策について伺います

学校における現状と課題及び地域における安全な環境作りについてです。

2001年におきた大阪教育大付属池田小学校の児童殺傷事件はついこの間のような気がするほど日本中に大きな衝撃を与えました。また、つい数ヶ月前には岐阜市の中学校で大事には至らなかったのですが、刃物を持った卒業生が一時立てこもる事件がありました。また全国各地で登下校の時の連れ去り事件も頻繁に起きております。今年のうちにも120何件という件数が起きておりまして、そのうちの120件が15歳未満との報道が先日もなされておりました。防犯ブザーを貸し出す自治体が増えてきて、メーカーも需要急増に供給が追いつかないという有様であります。また事件が起きたところでは、下校時に先生方がパトロールをしておられるとか、横浜市では全小中学校に防犯カメラを1台ずつ設置するなど、こんな報道がしょっちゅうされております。だれもが心を痛めております。幸い山間の地、八幡町では大きな事件もなく済んでおりますが、事件・事故、事件だけでなく事故なども含めどこの学校や地域でも今問われている問題であります。

池田小で8人の児童を死に至らしめた犯人は校門が開いていなかったら侵入しなかったと供述したことや、校内ですれ違った教員が声を掛けなかった事実も後から判って来ました。被害にあった子の親達への事件の情報がないことへの学校に対する不信感、親達が事実関係を掘り起こす中で文部科学省の通知や通達は職員会議などで報告されるだけでなんら意味もないし実効性が伴わない、こんな通達行政では安全は守られないと訴えております。また日本教育学会の学校事故問題研究特別委員会は学校安全法要綱案をまとめました。これは学校安全基準制定の緊急性・重大性が増しているために、第一次としてまとめられこれをさらに改善して国レベルでの法制化の確立に役立てたいとのことであります。要綱案では日常的に不審者侵入に備えた防犯教育の徹底、学校防犯環境の改善や学校救急体制の確立、そして学校災害の発生原因・事実経過などについての情報提供を義務づけることなどを挙げております。そして教育と安全の両立ができる安全管理システムが必要と訴えております。安全管理システムができる前に先ず学校や地域でできることを考え取り組む必要があると思います。またそれがシステム作りに役立っていくのではないかと思います。今の学校における安全面での配慮はどのようになされているのか、その現状や今後の課題についてお考えを伺いたいと思います。また通学路や放課後・土日曜日の過ごし方など子供に関わる地域のあり方、安全環境をどう作っていくかについてもお伺いしたいと思います。

2点目は子育て支援についてです。先づ最初に認可外保育所への支援について質問いたします。
 少子化問題はずっと以前から言われてきて、今回の合併の一つの理由にも挙げられております。欧米先進国で葉、やはり少子化が進んでいますが女性労働人口率の高い国では、それなりの受け皿も用意するという国の施策が行われて少子化も歯止めがかかり上向いてきています。しかし日本では依然として変わらぬ少子化問題であります。今月10日には小泉首相が2004年度予算での補助金1兆円削減を指示しその中で公立保育所1700億円を削減することを打ち出しました。すでに国は最小コストで最大の受け入れを図るとして、保育所の規制緩和をして公立保育所の民間委託や定員の25%増の認証を認めるなど保育の水準を大きく引き下げております。少子化に歯止めを掛けるには今子育てをしている家庭に子育ての希望が持てるような、また未婚の人たちが将来に希望が持てるような社会の受け皿作り、支援をしていくことが最も大切手なのに、国の改革は赤字であろうが計画通り最後まで高速道路を作るなど無駄を削ることなく大切な子育て支援を削るという逆行した改革に対し母親として私は大きな怒りが沸いてきます。同時に公立保育園の影で大変な部分を支えてきた認可外保育所のことを皆さんに知っていただきたいと思います。多様化した働き方が現実にある社会で、公立保育園の枠の中に入らない生活を余儀なくされている人々がいます。共働きの自営業者が求める長時間や延長保育、あるいは園が家の近くや職場に近い、通勤途中にあるなど利便性、保育園を評価して入るとまた乳児でも預けて働かなくてはならない、生きていけない人など、公立保育園の枠では対応できない所を補ってきているのが認可外保育所であります。民間園とちがって措置費などは全くありません。保護者は一律の高い保育料を納めています。県内に多数ある認可外保育園は県庁や各自治体に出向き実情を話し、やっと得られた支援が乳幼児保育特別対策事業であります。県二分の一、市町村二分の一のその事業の内容は、0歳・1歳児の乳児保育と、11時間を越す延長保育をする施設に対しての二つがありますが、八幡町にある民間保育園には数年前に延長保育に対する補助が認められましたが、大変手のかかる1歳・2歳の乳児保育に対する助成が未だに認められておりません。八幡町が認めれば、県はいつでも
OKとのことです。同じ町内に住み、同じ権利を持つ子供に差別があってはならないはずです。親が安心して働き続けられる社会と、こども達が健やかに育ってほしいと願うものであります。私立単位の定員枠が満たないからという理由で差別されるのは全く理解出来ない冷たい差別の行政です。どの子も一人一人が、かけがえのない大切な子供のはずです。実績の十分あるこの認可外保育園への乳幼児保育に対する補助をどう考えておられるのかお伺いします。また私は強く要望を致します。合併で郡上市となると広い地域が対象となります。当然、働く場の行き来も広くなってきますし、必要性も大きくなってきます。今でも高鷲や白鳥など遠方の方が急に来られて一時子供さんを預けていかれるとのことです。今、郡内に一つしかない認可外保育所は益々必要性が出てくると思います。是非新市においても対応を強く求めます。この点についてのお考えもお伺い致します。

2点目(の次)は、子育て中の親と子を支援する環境作りについて伺います。
 私は外孫が4人います。孫が生れるたびに、その子育ての大変さが良くわかります。見ていて昔は自分も3人育てたけど、若かったし我が子が可愛いいから必死でやってきたけど、今の私にはあんな大変なことできんわ、といつも思っております。たまに接する私は母親のように苛立つこともなく、ゆったりと娘夫婦と孫たちに寄り添ってやることが出来、それが私の役目だと思っていますし、それが私の楽しみでもあります。私は昨年と今年2年間、母子推進員をしております。先日は保健センターの離乳食講習のお手伝いに行ってきました。12名のお母さんとその赤ちゃん、また上のお子さん一人と参加されておりました。保健士さんの話を聞いたり、離乳食作りを見学したり、試食したりする中で一緒に楽しく過ごしました。試食の時にはもう疲れてすでに眠くて、ぐずりだしてしまったりとか、お乳をほしがっているのをお母さんが我慢させてそして栄養を考え手間を掛けて作った離乳食をお母さんが自分で味わえばいいのに、親心というか何としても我が子に少しでも食べさせてやりたいという気持が見ていてよく判るのです。私もこんな時、こんな気持の時があったのだなあ、とお母さんや赤ちゃんに寄り添ったひと時は私のほうが満たされた、なんかもらったようで、その日一日がとてもよい気分でいられました。また毎週水曜日の文化センターでの子育てサロンにも当番の時は出かけて行って子供と遊んだりします。数人のお母さん達は仲よく語らっています。先日、「男女共同参画フォーラム」において、中部学院大学の古川芳子教授のお話の中にあったように、育児に自信がなくなるのは共働き女性46.7%、専業主婦70%、子供をどちらが多く生んでいるかは少しの違いだけれども共働き女性は1.98人、専業主婦は1.91人とのことでありました。今、核家族化が増え若い親たちは初めての子育て経験でわからない事ばかりです。そこへ、たくさんの情報が入ってくるので、ほかの子と比較して我が子はおかしいのではないかとか、自分の子育ては間違っているのではないだろうか、と大変不安に思っております。良い親になろう、良い子に育てようと皆一生懸命なのです。それがうまくいかないと自分を責めて育児ノイローゼになったり子供への虐待という形になったりもします。お父さんは仕事に出かけ家には赤ちゃんと二人だけ、専業主婦で楽に思えるのですが24時間いつも子どもに縛られることは大変ストレスが溜まるものです。外へ出る機会も少なく社会から遮断されたような孤独感も味わいます。仕事で疲れて帰ってきたお父さんは話も聞いてくれない、子どもの面倒も見てくれない、どうして私ばっかりが、と一人ぼっちで悩むお母さんが今、増えているのです。もう子育ては終ってしまった三世代で生きてきた方がたとは違った苦労なのです。こうしたお母さん達を含めた今の若い世代の子育て支援は行政もいろいろ行っております。でも初めて八幡に住む人もずっと住んでいる人でも、いつでも気軽に親子で遊べる児童館のような所があるといいなと思います。そこへ行けば、絵本やおもちゃ図書館があり、同じような人と友達になれ声を掛けてくれる大人や子どものボランティアがいたり、気楽に相談できる人がいたり、望む時には情報提供がしてもらえたり、子供服やおもちゃの交換が出来たり、電話相談を受付けてくれたり、また欲を言えば24時間の子育てから息抜きがいっ時でもできる一時的な託児をしてもらえる所、こんな所が身近にあると子育て中のお母さんはどんなに助かるだろうかと思います。児童館のような子育て支援の場を作っていく必要があると考えますが、その場に関わる人や方法はいろいろあると思います。大勢で知恵を出し合えば充実させていけると思います。この点についてのお考えをお伺いします、

 

3点目はゴミ焼却施設についてのガス化溶融炉のランニングコストについてです。
 新たに建設する「郡上クリーンセンター」では可燃ごみ処理に新型炉であるガス化溶融炉が建設されていきます。不燃ごみ・自然ゴミの処理には「リサイクルプラザ」が建設されます。この「郡上クリーンセンター」は指名競争入札の結果、落札率48
.9%という低い率で日本ガイシに決まったものです。莫大な建設費やランニングコストが掛かる事で心配しておりましたが競争が激しかった結果、低い落札率であったとのことです。ランニングコストも入札時に提出された格安とでは十年間に三十億円未満を保証、年間3億円となりますが、たいへん企業努力をされているようだとのことでありました。しかし燃やしてしまえば灰になってしまう、ガス化溶融炉ではスラグというものになりますが、灰になってしまうような可燃ごみの1年間の処理費が3億円かかるということを聞けば、誰でもその莫大な金額に驚くのではないでしょうか。郡上郡中の14年度の可燃ごみ量は、9,922トン、この処理費は1億2724万円ほどでした。15年度は年度途中ですので全体のごみ量は判りませんが、年間予算は1億5096万円弱を見てあります。15年度はダイオキシン規制が厳しくなり八幡の炉も白鳥の炉もバグフィルターをつけてダイオキシン規制値に十分対応できる炉に改修されたものです。この予算額と比べてもガス化溶融炉の年間3億円という額はほぼ倍近い経費がかかるわけです。この点をどう考えておられるのかお伺いします。また新型炉の操作が技術的に難しいとのことで日本ガイシに管理運転を委託するとのことですが、委託は経費削減に繋がるのでしょうか。逆に建設コストを安くした分を、管理運転委託を続けることで、すなわちランニングコストで日本ガイシが儲ける積りではないでしょうか。また委託はいつまで続けるのでしょうか。合併協議では新市になると可燃ゴミ袋が一枚20円と決まりました。経費が掛かるゆえ可燃ごみ処理の有料化にご理解願いたいとのことでありましたが、莫大な経費が掛かることで更なる有料化が進められるのではないかと危惧するところであります。この点についてもお考えをお伺いいたします。

4点目は、地域福祉政策についてです。
 住民のための住民参加による計画作成の時期と具体的な方法について伺います。
 市町村地域福祉政策は地域住民に最も身近な行政主体である市区町村が地域福祉推進の主体である住民等の参加を得て地域の要支援者の生活上の解決すべき課題とそれに対話する必要なサービスの内容や量、その現状を明らかにし福祉サービスを確保し
,成長する体制を計画的に整備することを内容とするもので、各市町村で個性溢れる地域福祉を推進することが期待されております。これは平成15年には作ることになっておりましたが作成は遅れております。計画作成に当っては調査を実施しそのデータを参考に作文しただけ、というものになっては全く意味がありません。作成に住民自身が関わり、自らの生活課題を導き出し、その解決策を検討し、その実施その評価まで住民が参画する、このプロセスに意味があるといわれております。児童虐待や閉じこもり、生活不安、老後の不安など住民の抱えている多様な生活課題に地域全体で取り組み支え合うシステムを作ること、が今の課題になっております。そしてその計画は住民が主体となって地域に明るい未来を作っていくものでなければなりません。すでに八幡町で行われている「地域コミュニティーづくり協議会」は、地域住民や役場の職員も加わりみんなで話し合い地域をよく知りみんなで力を合わせて取り組み住みよい地域を作っていくことをしております。それと同じように、地域福祉計画作成においてもコンサルタントに丸投げしてしまうよりも、「地域コミュニティーづくり協議会」のように住民懇談会を設け、住民参画の形を取っていくほうがよいことは明らかです。しかし郡上市となると、広い区域となり実態把握も大変であり作成も困難になってくるのではないでしょうか。合併後に作成となるのであれば、この広い郡上で課題を引き出すための調査方法や作業の準備をどのように、またどのような形で住民参画をするのか、具体的な方法を考えておられるのでしょうか。また、しっかり時間を掛け、住民の合意の形成をしながら作成しないと住民のものにはなりません。この点もどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

以上、よろしくご答弁をお願いします。

答 弁(要旨) 

 

学童の安全対策について

布田教育総務課長:池田小の事件後、県下で一番早く各教室に防犯ブザーを設置した。学校の玄関などに、案内板を設置し、来訪者には名札を付けていただき、不審者と区別ができるようにしている。各学校では毎年マニュアルを作成し先生方が児童の安全を見守っている。県警の指導による防犯教室等も開催し、通学路には月二回先生方が立って交通安全指導をしている。

 

大坪学習支援課長:非行防止のための各種の巡回活動や、ソシアルアンクルアント(Social Uncle/Aunt)の会議,トライアングル活動推進事業等を行っている。新規には地域子ども教室推進事業を新市に向けて行う。

 

子育て支援について(認可外保育所への支援について)

山口健康福祉課長:特別対策事業の一つは補助しているので差別とは思っていない。今後も認可外保育所への入所の要望もあろうかと思われるので、新市になってから検討したい。

 

子育て支援について(子育て中の親と子を支援する環境作りについて)

小森久二男町長:児童館の要望も大きい。小野の青少年センター利用も考えている。郡上にはまだないので、今後の新市の建設計画で検討していきたい。

 

大坪学習支援課長:家庭教育学級や子育てサロンを開設している。

 

山口健康福祉課長:ふれあいサロンを開設しているので利用してほしい。県の「コミュニティーママ子育てサポート事業」もある。

 

ゴミ焼却施設のガス化溶融炉のランニングコストについて

小森久二男町長: 焼却実費と収集経費を合わせてもトン当たり2万5000円のコストで納まるだろう。郡上が特に高いわけではない。当面は委託する必要があるが、将来は地元の人の雇用の場を作っていきたい。ゴミ袋の値段は合併協議で決定されたので当分は変わらない。視察をした飯田市(長野県)ではゴミ袋20円と焼却費30円で合わせて50円の利用者負担である。実際の経費の何分の一かは利用者に協力願いたいということで、来年は80円にするように今、協議されている。

 

地域福祉政策について

 山口健康福祉課長:住民アンケートや住民参加の座談会などそれぞれの地域でまとめ、中味の濃いものにしたい。策定委員会は住民・学識経験者・アドバイザーの参加を求めて平成16年に新市において取り掛かる。