「閑吟集」より 2003.10.23 詩のサロンで
花の錦の下紐は 舟に行けば岸移る
解けてなかなかよしなや 涙川の瀬枕
柳の糸の乱れごころ 雲馳ければ月運ぶ
いつ忘れうぞ 上の空のこころや
寝みだれ髷の面影 上の空かや
何ともな (※ どうしょうもない)
思い切りしに又見えて
肝を煎らする 鎌倉へ下る道に
胆を煎らする 竹剥げの丸棒を渡いた
木が候はぬか
影はづかしきえわが姿 板が候はぬか
影はづかしきえわが姿 竹剥げの丸棒を渡いた
忍び車を引く潮の 木も候へど
跡にのこれる溜り水 板も候へど
いつまで澄みは果つべき 憎い若衆
野中の草の露ならば 落し入らせうとて
日陰に消えも失すべきに 竹剥げの竹剥げの
これは磯部の寄藻掻く 丸棒を渡いた
海人の捨草いたづらに
朽ちまさりゆく袂かな
(※ 下紐=下着の紐)