第31回 9/7 『どこかひっかかるんだよな・・・』

プレイヤーは新米弁護士である鳴歩堂龍一(通称 なるほど もしくは ナルホドー)となり、依頼人の弁護をするだけでなく、事件の真相を暴いていくコマンド式の推理アドベンチャーゲームです。シナリオはそれぞれ章単位で構成されています。1、2ともに4章構成となります。

このゲームの特徴、それは売りである法廷バトルといえるでしょう。数々の証拠を付きつけ、証人の矛盾を指摘していく、この尋問作業こそが面白いのです。今まで数々の推理物ゲームが出ていますが、こういった見せ方で事件を解決するスタイルは斬新でした。
更には誇張表現も演出としていい方向に動いています。会話の内容により表情豊かに喜怒哀楽を表現するキャラクター。そしてとどめは「異議あり!」。矛盾を突きつける瞬間のせりふですが、それがズバリと当たった瞬間の爽快感はこの上ないものとなっています。

さて、物語は戦場となる法廷ばかりではありません。
法廷で戦い抜く為に必要なもの、「証拠品」を集める探偵パートというものがあります。ここでは現場に通ったり、様々な人物と会って品物を集めていきます。これによって事件の全容がおぼろげながらも掴み取れ、同時に真相をより深く理解する為の前フリともなっています。

このシナリオの深さと矛盾を指摘した時の爽快感により、見事な完成度を成しています。また、シナリオがオムニバス形式で短編の物語をテンポ良くこなしていける点も評価できます。


さて、この作品は現在(2003年9月現在)1と2の2作が出ているわけですが、是非とも順番に両方プレイすることを薦めます。2のみでも初めての人向けの配慮がしてあってそれなりに遊べるのですが、1のストーリーを引き継いでいる為に前作をプレイしていないと理解しづらい部分が多々あります。
幸いにして1は廉価版が発売されていますので、試しにプレイしてみてはいかがでしょうか。きっとクリアする頃には2を買いに出かけていることとなるでしょう。


難を言えば、見方を変えてよっぽど別の考え方をしないと証言と証拠が結び付けられなかったりします。それなりの思考力が要求されます。
1の問題点であったシナリオの短さを改善する為に全体ボリュームを大きくしました。しかし、かえってシナリオの持つスピード感というものが減退し、遊びづらさがやや目に付きました。
携帯ゲームということもあり、法廷での掛け声以外で音声が入っていません。そのうちにフルボイス対応をし、据え置きハードに移植されればと思います。


そうそう、公式サイトに行けばFlashでの体験版もプレイできます。購入前にそちらで試しにやってみるのもいいかもしれませんね。



逆転裁判(AGB−P−ASBJ(JPN))
対応機種はゲームボーイアドバンス。2001年10月12日、CAPCOMより4800円で発売。
Best Price!版が2002年10月18日に2980円で発売。


逆転裁判2(AGB−P−A3GJ(JPN))
対応機種はゲームボーイアドバンス。2002年10月18日、CAPCOMより4800円で発売。