第11回 6/14 『狙え!そのわずかな隙間めがけて!』

今回はPUZZLE BOBBLE 2X。アーケードからの移植作品です。

基本はパズルゲームで、画面下から壁の反射などを利用してバブルを撃っていって消してきます。3つ以上同じ色をくっつけると消すことができます。パズルモードは分岐制の全21ゾーン30ステージ、1人で対戦モードは全12ステージです。

この作品では弾を撃っていって消していくわけですが、この時に壁の反射を利用できるのがこの作品を非凡なものへと仕上げた要因となりました。狙いさえ合えばどんな人でもうまくいくわけで、外れた時は自分のせいだということが良く分かるわけです。また同時にピタリと狙ったところに撃つことができれば快感へとつながります。有利にするも不利にするもすべて自分の腕次第というわけです。

キャラクターもイメージ通りにかわいいものばかりですし、またそのイメージ通りにシステム内容も親切です。特にコンティニューをするとガイドが出るところは、どうしてコンティニューをしたのかというのがよく分かっていて好感が持てます。

ただこの作品、次に撃ち出すバブルの色がランダムで決定されていくのでその部分が良いようにも悪いようにもつながっているように感じます。つまりいくら腕がうまくても希望通りのバブルが出てきてくれないとどうしようもないわけなんです。

最後にこの作品には、プレイステーションでこの作品の前作となるPUZZLE BOBBLE 2が発売されています。モードやステージ数が少なかったりしますが、基本部分は何も変わっていないですしベスト版なのでお買い得でもあります。こちらもお勧めしたいと思います。



PUZZLE BOBBLE 2X(T−1106G)
対応機種はセガサターン。1996年7月26日、TAITOより5800円で発売。
サタコレシリーズでも発売。

PUZZLE BOBBLE 2(製品コード不明)
対応機種はプレイステーション。1996年3月29日、TAITOより5800円で発売。
THE BESTシリーズでも発売。





第12回 6/21 『投げる・打つ・快感』

今回はファミリースタジアム。今なお続くナムコの野球ゲームの決定版といえる作品です。

この作品に関しては単純に投げる・打つ・走る・守るといった操作がしっかりと遊べます。まさにストライクを取る快感、打つ快感が味わうことができます。初代にしてすでに完成されています。

他にも選手の名前がすべてパロディです。ゲーム内容がリアルなシミュレーションではないので、ゲームの雰囲気にぴったりとマッチしました。

中でも1番大きかったのが20〜30分で終わるというテンポの良い内容だったことでしょう。対戦で試合が終わった時に「もう1回」と気軽に遊べるんですよ。

ただ気になるのは異常なまでに強い選手がいることです。当てればほとんどホームランや、バントすれば進塁するという状況はかんがえもの。以降のバージョンでそれは少しずつ解消していったのでその心配はないでしょうが。



プロ野球ファミリースタジアム(製品コード不明)
対応機種はファミリーコンピュータ。1986年12月10日、NAMCOより3900円で発売。





第13回 6/28 『これぞアクションパズルの王道!』

今回は名作中の名作、ゼルダの伝説。任天堂を代表するシリーズ作品の一つです。

見下ろし型のアクションゲームで、あちこち駆け回ってアイテムを集めまくり、ダンジョンのボスを倒していくゲームです。王国を闇に変えたガノンを倒すため、リンクが冒険していきます。

全体的にのんびりとした雰囲気ですが、手応えのある難易度で、クリアしなければならないパズルもこれまた心地よい難易度です。どれも理不尽さは感じられず、全体的によくまとまっています。

他にも単純にクリアを目指していくだけでなく、あちこちに隠されているアイテムを収集していくのがこれまた楽しいです。特に、ライフを増やすことができるハートのかけら集めは夢中になれます。

さらにミニゲームの出来も秀逸で、ムキになってプレイできます。射的ゲームなんかは当たりそうなのを外してしまって、何度パーフェクトを狙って再トライしたことか・・・。やはり息抜きとしては遊べすぎます。

ただし自由度が高いため、その反動としての最初のとっつきにくさがちょっと気になります。プレイを開始した時は最初どこに行ったらいいのかも分かりにくいですし、操作に戸惑っているすきに倒されまくったりします。

ですがはっきり言っときますけど、スーパーファミコンを所有しているのであれば1度はやっておいて欲しい作品です。それだけの価値はあると思います。



ゼルダの伝説 神々のトライフォース(SHVC−ZL)
対応機種はス−パーファミコン。1991年11月21日、任天堂より8800円で発売。





第14回 7/5 『この戦いの真の意味とは』

今日も暑かったですね。さて今回はMETAL BLACK。アーケードからの移植作品で、マニアに今なお愛されつづけている作品です。

横スクロールのシューティングで、各面のボスを倒せばステージクリアです。ボーナス面2つもある全6ステージです。宇宙人の支配を断ち切るため、地球自身の命を守るためにブラック・フライが出撃します。

さてこの作品、まず目を引くのが美しいグラフィックと細かい演出。その出来というのは過去に培われてきたいくつかのTAITO作品を結集したかのような出来で、2Dゲームとしては最高峰に位置しています。細かい地形・背景描写によって、そこに実在の世界を見出すことができるでしょう。G DARIUSに受け継がれたビーム干渉もここに見ることができます。

世界観の構築も見事で、プレイしているだけでもストーリーが見えてきます。ハードな世界観がゲームの雰囲気に良くあっており、いかにもそれらしくて引き込んでくれます。

それに忘れてならないのは最終ボス以降。細かい描写は避けますが、生命について何か考えさせられます。シューティングでここまでテーマ性を打ち出し、そして成功させた作品は皆無です。このシーンだけのためにやる価値はあるでしょう。

意外なところではボーナスステージの存在も忘れてはなりません。3Dタイプのものを入れることによってメリハリがつき、いい意味での息抜きができます。ただ残念なのがその時の当たり判定が不明瞭で、なおかつターゲットが画面外にいってしまうことがあります。これさえなければ本当に息抜きとして遊べたんですけど。

また、曲に付いても評判が良く、今なお廃盤になったCDを探している人がいる現状を見てもそれが明らかだと思います。ステージ開始の時に右下に曲名が表示されるのも密かにポイント高いです。

ただしゲームのバランス面については少々疑問が残ります。前方にしかショットが撃てないし、とてもじゃありませんが自分の手で連射をしていても敵が硬くてきついんです。連射装置付きのパッドは必需品といってもいいでしょう。それとパワーアップするためにちっちゃいアイテムを集める作業も好みが別れるところだと思います。



METAL BLACK(T−19902G)
対応機種はセガサターン。1996年5月24日、VINGより5800円で発売。
サタコレシリーズでも発売。





第15回 7/19 『今日はどれ釣る?』

ようやく15回目です。では今回はDARIUS外伝を。アーケードからの移植作品で、直系のシリーズ3作目です。

横スクロールのシューティングで、各ステージのボスを倒せばステージクリアです。分岐型のステージ構成で、全28ゾーン、6面クリアでエンディングです。故郷のダライアス星を取り戻すため、更なる進化を遂げたシルバーホークが発進します。

まずはパワーアップについて。このゲームではシリーズ作らしくドハデな多段階方式です。しかもやられても、完全にパワーが落ちきりません。復活が非常に楽で助かるここと思います。それと今回から採用されたボンバー。好みは別れると思いますが、採用されたことによって初心者でも安心して遊べる結果にもなりました。

難易度も程よくバランスが取れています。やられて理不尽なところはこれといって感じません。しかもやられる度に、「次こそ越えることができそうだ」と思わせてくれます。このバランス感覚が絶妙です。

分岐されていくステージも多彩で、システムがしっかりと生かされています。しかもゾーンごとにしっかりと個性付けがなされており、似通ったようなステージが無いために分岐する意味合いがしっかりとあります。ただし2組同じステージがありますけど、そこはボスが違うので。

画像周りにしても、恐ろしくハイレベルです。描写を主眼に置いたグラフィックはもはやきれいというレベルを通り過ぎています。芸術品といってもいいでしょう。ドット単位で描いていったスタッフの気迫が感じられます。さらにエフェクトの使い方も効果的です。ステージ中にじわーっと浮かび上がってくる背景は気付かないようでいて、その実見た者を驚かせてくれます。

演出もいい出来です。画面の奥を泳ぐボスの姿、轟く雷鳴、ボスから逃げていく鳥たち。言葉で全てを伝えられないのが残念なくらいです。そしてその雰囲気にリンクした曲たち。これだけでも1つの世界を作り出しています。最終面はその極みといえるのではないでしょうか。静かに始まるステージ。そしてゆっくりと始まる曲。徐々に盛り上げてボス戦で最高潮に達します。

極めていくと、点数稼ぎの楽しさが頭をもたげてきます。特にアーケードでやっていた方なら、その激しさもよく分かっているのではないでしょうか。私もこのゲームによってスコア争いの凄さと楽しさを開眼しました。ただし残念なことに、スコアをセーブすることができません。これは致命的といってもいいでしょう。スコアで競えるゲームが、スコアで競うことができないなんて。

また、連射ボタンをあらかじめ設定しておかなかったのも気に入りません。楽しむためには連射装置は必須と要ってもいいほどなんですが、裏ワザを使わなければ使えません。知らなければパッド購入という道になってしまいます。でも1つのゲームだけに新しく買うことなんてめったにありませんよね。

総合すると、シューティングファン、とりわけ横スクロールシューティング好きには文句無く薦めます。ただしプレイステーション版に付いてはまったく分かりません。風の噂によると、描画方式の違いから処理落ちがサターン版よりひどいらしいです。


DARIUS外伝

(T−1102G)
対応機種はセガサターン。1995年12月15日、TAITOより5800円で発売。

(製品コード不明)
対応機種はプレイステーション。1996年12月13日、ベックより5800円で発売。